【小倉ヒラクの発酵沼へようこそ!】第1回:調味料は沼である

こんにちは。発酵デパートメント店主の小倉ヒラクです。
各地のユニークな発酵ブツをお買い物できるこの発酵デパートメントのWEBサイト、2020年9月から読み物充実のマガジンサイトにリニューアルすることになりました!

愉快な連載や特集記事が続々リリースされていくのですが、僕も2週間に一度発酵デパートメントの商品や取り組みを紹介するコラムを書いていこうかなと思っています。

ということで試運転も兼ねて、調味料の話をしようではないか…!

調味料は沼である

今から数年前のこと。東京でデザイナーをしていた僕は、偶然の出会いから発酵に激しく魅了され、デザイナーのキャリアをドロップアウト。30歳で東京農業大学の醸造科(漫画『もやしもん』の舞台)に研究生として入学。2年間発酵学の基礎を叩き込まれました。

でね。その時僕が一番体系的に学んだのが「麹を使った調味料」。つまり和食に欠かせないうま味調味料です。
普段何気なく使っている醤油や味噌などを深く学んでみると、その奥の深さたるや…!

2年間、農大で発酵や調味料のイロハを学んだ後、僕は発酵デザイナーと名乗り、日本中、世界中のローカル発酵ブツを訪ねてまわるようになります。その時に僕が夢中になったのが、各地の調味料を集めること。

例えば日本。47都道府県の大半に醤油と味噌の醸造蔵があり、関東・東北・東海・九州とそれぞれその土地独特の味覚の個性が調味料に反映されています。基本の醤油・味噌だけでも面白いのに、さらにお酢やみりん、ソースなど様々なバリエーションの調味料もあり、

「調味料は沼…深く広く昏(くら)い危険な沼だ…」

と確信したのですよ。いつしか我が家のキッチンには「発酵調味料専用冷蔵庫」が設置され、全世界のアヤシイ調味料たちを愛でる日々が始まったのでした。

 

自炊革命は、調味料から!

そして時は流れ、色んなご縁が重なって東京・下北沢に発酵専門店『発酵デパートメント』をオープンすることに。
さてどんなお店にしようかな…と考えた時に最初に思いついたのはもちろんこれまでコレクションし続けた調味料のこと。お店の中核は、各地の食文化を反映するローカル調味料にするぞ!と誓ったのですね(誰にって?もちろん発酵の神々に)。

お店がオープンは2020年4月1日。オープンから数日で新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令され、みんな強制ステイホーム状態に。すると当然おうちで自炊することになるじゃないですか。そしていざ美味しいものつくりたい!と思ったら調味料をハイクオリティなヤツに変えてみようと思うじゃないですか。

オープンしてそのまま潰れてしまうかに思われた発酵デパートメント。ステイホーム自炊需要の追い風が吹き、厳しい4〜6月の時期をなんとか生き延びることができました。みんなありがとう!

ま、僕たちの事情はこれぐらいにして本題に入るとだな。僕が全力でみんなに伝えたいのは、

調味料を変えると自炊革命が起きる

これに尽きる。料理上手への最短ルートは、調味料を変えること。これこそが宇宙の真理。万有引力の法則と同じレベルで。料理教室に通うのもいいが、その授業料でサイコーの基本調味料を揃えたら、特に料理の腕を上げなくても自動的かつ強制的かつ必然的に自炊のクオリティが上がる、いや、上がってしまう。水が低きに流れるのと同じレベルの真理によって。

まずはお味噌汁を変えてみよう

なぜ調味料を変えると美味しい料理が作れてしまうのか?

それは「料理の腕がまあまあでも美味しい料理を作れるように調味料が存在している」という理屈による。調味料の醸造家たちは、忙しい現代人が手間をかけた仕込みをしなくても奥深い味わいをクリエイトできるように工夫を凝らして商品をつくっている。醸造家たちの工夫が、自炊をブーストさせてくれる。そのために各醸造蔵が何百年にもわたって技術を磨いてきたんですね。

ナイスな調味料を買って使う、ということは、醸造家たちの力を借りて美味しい料理へ最短ルートでアクセスする、ということ。己の料理の腕が素手の状態ではか細くても、調味料というパワーアームを装着するとムキムキの上腕二頭筋になってしまう。これぞ調味料ミラクル!

…ということで調味料を変えてみよう。最初の導入はお味噌汁を変えてみるのがいい。
美味しいクラフトお味噌としっかり熟成させたかつおだし。特に難しいレシピはいりません。それだけで自炊の景色が変わって見えるよ…!

ということで、まずは発酵デパートメント定番の調味料を気軽に試せるセットをご案内しまーす。
まずはここから、プチ自炊革命!

 

発酵&自炊ビギナーに激しくオススメ。
発酵デパートメントの定番調味料が気軽に試せるスターターキット。

全て少量なので楽勝で使い切ることができます。

【味噌】五味醤油のやまご味噌 お試し 100g
山梨県甲府市の老舗味噌屋のとんでもなく使いやすい万能味噌。甘味旨味酸味塩味、バランス◎
[原材料]大豆、麦、米(国産)、食塩

【醤油】ミツル醤油の生成り、(濃口)100ml
福岡県糸島のサードウェーブ醤油。官能的な香りと深い味わい。醤油の概念が変わります。
[原材料]大豆、小麦、塩

【ダシ】カネサのかつおぶし(枯節)4g×5パック
静岡県西伊豆の古の伝統を受け継ぐ、超本気の鰹節。使いやすい個包装。
[原材料]鰹

【変わり種】かんずり
新潟県妙高の唐辛子を醸した調味ペースト。鍋や麺類、ご飯にかけたり味噌汁に入れても。
[原材料]唐辛子(国産)、糀、柚子、食塩

まずはお味噌汁をつくってみよう!

商品が届いたら、まずはお味噌汁を作ってみましょう。
普段自炊をしないアナタにも超簡単なレシピを伝授!

超簡単!お味噌汁(2杯ぶん)

・水300mlを沸騰させる
・沸騰したら、かつおぶし1パックと味噌おおさじ2を入れ混ぜる
・豆腐1/4をサイコロ状に切って鍋に入れたら完成!

※ネギとかんずり少々いれると薬味&辛味が加わってさらにサイコー!
※かつおぶしは具材としてまるごと食べちゃってください
※残ったお豆腐に醤油とかつおぶしをかけて冷奴にしてもサイコー!

だし取りがよくわからない人でも簡単に作れてめちゃ美味しい。
ハイクオリティな調味料の素晴らしさを味わってみてください!

この記事を書いた人 小倉ヒラク

発酵デパートメント店主。『発酵デザイナー』という謎の肩書で知られる。世界各地の発酵文化や微生物たちを訪ねて回る仕事をしています。

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