はじめまして!日本各地の『手前みそ』を巡る旅-日本各地の手前みそvol.01

はじめまして。小倉ヒラクと申します。僕はデザイナーでかつ発酵文化のスペシャリスト”発酵デザイナー”として世界各地の発酵食品や微生物のリサーチをしています。

『日本各地の手前みそでは、全国のユニークな発酵食品や各地で起きている新しい醸造文化のムーブメントを紹介していきます。

発酵の国、日本へようこそ!

さいきん、大注目の発酵食品。味噌や醤油、酒など誰でも知っているもの以外にも、ユニークでビックリ仰天な発酵食が日本の各地に根付いています。

魚を米とあわせて長期間熟成したチーズのような”なれずし”、芋やタイ米、麦や黒糖など様々な原料でつくられるローカル焼酎、スーパーで売っている定番とはひと味もふた味も違う納豆の変種、その土地ならではの在来作物でつくる多種多様なお漬物。さらにはどのカテゴリーにも当てはまらない珍品がいっぱい!

そう。日本は世界でも稀に見る発酵大国。北国には長く厳しい冬を越すための保存技術が、南国や離島には限られた食材を美味しく食べるための工夫が発達していったのです。

発酵を知れば日本がわかる!

僕は47都道府県の津々浦々を旅して、小さな醸造蔵や地元のお父さんお母さんの家に転がり込んで、リアルローカルな発酵文化の数々を目の当たりにしてきました。するとだな、発酵食品にはその土地の風土と歴史のエッセンスが詰まっていることがわかったんですね。

例えば。九州や瀬戸内の甘い麦味噌は、稲作に適さない土壌と温暖で発酵が速く進む気候の産物。沖縄の泡盛の、本土の焼酎とは明確に違う原料(タイ米)や製法(一段仕込み)を紐解くと、タイや中国との長い交易の歴史が刻印されていることがわかります。さらに北海道にはアイヌの食文化の影響を受けた独特の発酵文化があったりするのですよ…!発酵食品の調査をするはずが、いつの間にか僕は発酵を通して日本文化の再発見をする旅をすることになったのです。

地元の割烹料理屋のカウンターで「ところでこんな不思議な食べ物があるんですけどね…」と大将が持ってきた謎の発酵ブツを食べた時の衝撃や感動、大将に電話してもらってアポ取ったアヤしい工場で目撃した謎の発酵ブツの製造現場に立ち会った時の興奮を、この連載の場を借りて皆様にお届けしたいと思います。

ふだん当たり前に知っている定番発酵食品の意外な事実から、見た目やニオイが衝撃的なハードコア発酵ブツ、さらには地方の醸造蔵に隠された感動ストーリーなど、地方が誇るべき”手前みそ”をお伝えしていきます。

それでは、発酵を巡る愉快な旅に出発!

(小倉ヒラク著)

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