発酵ツーリズムin多摩。東京の知らない一面に出会うバスツアー

現地を訪ね、発酵を通して歴史や人、自然を知る発酵ツーリズム。慣れ親しんだ土地でも、知らない一面に出会うことができます。きっと旅に出ればわかるはず…!だけど、まずは2022年12月に開催した、西東京・多摩エリアの発酵を巡るバスツアーのレポートをご覧にいれましょう。酒蔵、チーズ工房、パン屋さんにクラフトビールブルワリーを訪ねて、一同大興奮でした。

大盛況だった「発酵で旅する東京の森」

2022年は「発酵ツーリズムにっぽん/ほくりく」に続いて、西東京・多摩エリアでも「発酵で旅する東京の森」も開催されました。2022年11月から約1ヶ月、多摩エリアの発酵食が立川・GREEN SPRINGSに集合!小倉ヒラクがキュレーションを手がける発酵にまつわる展示と販売スペースは大いに盛り上がりました。

今回はこれに連動して、展示会場でご紹介したスポットを巡るバスツアーも開催。9名限定のツアーにも関わらず、7倍近くのお申込をいただきました。参加者の中には沖縄県から弾丸で来てくださった方も!さて、どんな旅だったのでしょうか。

巡ったスポット

  1. 石川酒造
    https://www.tamajiman.co.jp/
  2. フロマージュ・デュ・テロワール
    https://www.fromagesduterroir.jp/
  3. noco bakery&cafe
    https://nocobakery.com/
  4. TACHIHI BREWERY
    https://www.tachihibrewery.com/

いざ、発酵ツーリズムに出発〜!

12月某日、朝早くに立川駅近くに集合!マイクロバスに乗り込み、発酵Lover御一行で旅へ出ます。少人数での開催だったので、バス内では自己紹介をして和気あいあい。

同じ発酵好きといえど、発酵が好きな理由やツアーに参加した動機はさまざまでした。「食に気を使うようになって発酵の面白さを知った」「観光案内所に勤めていて、地元や発酵のことをもっと知りたい」「発酵をキーワードにしたお店を営んでいる」。

これまでに下北沢・発酵デパートメントのイベントや、Webで販売しているサブスクにご参加くださった方もいらっしゃいました。

食用米でうまみの強い日本酒をつくる「石川酒造」

最初に訪ねたのは「石川酒造」。東京の地下天然水で仕込む銘酒「多満自慢」のほか、クラフトビールなども手がける酒蔵です。

案内してくださったのは、酒造りの責任者である杜氏の前迫さん。日本酒ができるまでの工程を説明しながら、原料の話に及ぶと「うちは王道じゃないですからね」と笑います。

前迫杜氏の代になってから、多くの酒蔵が日本酒づくりのために栽培される“酒造好適米”(よく聞くのだと山田錦とかね)をあえて使わず、食用米を原料にした酒づくりにチャレンジしているのだそう。前迫杜氏は「すっきり綺麗な日本酒もいいですが、うちはうまみを推す酒蔵でありたい」と話します。

麹を仕込む麹室やもろみを仕込むタンク、麹菌や酵母まで、見学させてくれました。お酒づくりに欠かせない、誰にも秘密にしたいであろう場所を案内する度に、前迫杜氏が「社外秘ですよ。バンバン写真撮って、SNSにあげてください」と矛盾した発言を繰り返すので、思わず笑顔になります。

 

じっくり飲み比べもして、ツアーの序盤から濃厚すぎるひととき。ちなみに前迫杜氏が着ているTシャツには、自身の決めポーズがプリントされています。

昼食は多摩の郷土料理「打ち入れ」

見学後は、石川酒造に併設された食事処で昼食。メインは多摩エリアで古くから食べられていた「打ち入れ」です。野菜と練った小麦を味噌で煮込んだ郷土料理で、野菜のうまみを感じる素朴な味。

地元の方が「昔は打ち入ればっかり食べさせられて、うんざりだった」と話すほど、家庭で食べられていた料理で、お聞きした話を忠実に再現して、あえてお出汁を引かずに仕上げてもらいました。

酒蔵併設ならお酒もおいしい!というわけで、それぞれにお酒を注文して乾杯。いただきながら、先ほど見学した酒蔵にまつわるあれこれを話します。「なぜ、日本酒づくりに使う酵母を国が作っているのか?」というマニアックなテーマまで話して、バスの移動時間に。

青梅の地に根差したチーズ工房「フロマージュ・デュ・テロワール」

続いて訪ねたのは、チーズ工房の「フロマージュ・デュ・テロワール」。代表の鶴見さんはフランスの国立専門学校でチーズの製法を学び、帰国しこの地で工房をかまえました。

原料の牛乳は東京の近隣でとれたものにこだわっていて、その理由を聞くと鶴見さんは「だって、うちは“フロマージュ・デュ・テロワール”ですから」とにっこり。看板商品の「フロマージュ・ドーメ」は、青梅の酒造「澤乃井」の日本酒を使用。工房でつくるチーズはみな、その土地を体現しています。

店も酵母も。バトンを受け継ぐ「noco bakery&cafe」

3軒目は機織工場をリノベーションして作られた「noco bakery&cafe」。お店のある青梅は昭和30年代に織物産業が栄えた地域で、機織工場が600軒以上あったといいます。

店内に並ぶのは、継ぎ足して受け継いでいく自家製酵母ルヴァンリキッドを使用して発酵させ、焼き上げたパンたち。いい香りに包まれて深呼吸しつつも、さっき買ったチーズに合わせようとパン選びに力が入ります。

 

店主の佐藤さんご夫妻があたたかく迎えてくれ、街のこと、パンのことを教えてくれます。お店のパンの命でもある、ルヴァンリキッドもみせていただき「これがムクムク膨らむなんて……」と一同興味津々。思い思いに選んだパンを抱えて、お店を後にします。

ベーシックなビアスタイルを丁寧に仕込む「TACHIHI BREWERY」

日が暮れた頃に、最後のスポット「TACHIHI BREWERY」に到着しました。ここで最後の乾杯をしてお別れです。

併設の醸造スペースにはいくつものタンクが並び、それを眺めながらクラフトビールを飲むことができます。

クラフトビールの醸造の工程や、クラフトビールの種類であるビアスタイルの説明を受けながら、グビグビ。

いただいたのは、4種のテイスティングセット。

 近年、大量にホップを加えたIPAをはじめ、個性派がトレンドとなる中で、「TACHIHI BREWERY」は、厳選したベーシックなビアスタイルで、基本の製法や原料を忠実に守っています。予定時間ギリギリまでお酒を飲んで買って、名残惜しくもバスへ乗り込み、立川駅へ向かいます。

きっと、また発酵ツーリズムへ

▲わずかな空き時間で訪ねた、青梅エリアを見下ろす神社

帰りに立川駅近くの「三上鰹節店」に寄って帰る方、自宅で戦利品をSNSに投稿する方。

ツアーが終わった後も、楽しい余韻は長く続きます。そして、自身のメモを見るたび、買って帰った戦利品を食べるたびに「また旅にでたい」と思うのです。

 

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