発酵デパートメントがオープンして、はや1年……。発酵食の楽しさを知ってもらうためにご用意してきたランチに、新たなメニューが加わりました。
その名も「発酵体験 米麺(ミーセン)」。
驚くなかれ。一人前で食べられる発酵食品の数は、なんと10種類!
発酵沼の浅瀬で遊びたいビギナーから、肩の上までどっぷり浸かった仙人クラスまでが、共通言語として楽しめる一皿なのです。
そもそも米麺(ミーセン)って、なんだろう?
米麺(米線)はミーセンと呼ばれ、中国雲南省で食べられているライスヌードルです。
中でも今回のメニューのモデルになったのは、現地の人々がファストフード感覚で食べている“過橋米線(かきょうべいせん)”。熱々のスープがかかった米麺に、豚肉や野菜などの具材や薬味などをお客がセルフで投入する、かけうどんにも似たスタイルの料理です。
アツアツぷりっぷりの麺に、発酵調味料と薬味を加えながらいただく「発酵体験 米麺(ミーセン)」は、10種類の発酵食品のテイスティングができるのはもちろん、それぞれの旨味や塩味、酸味が混ざり合った発酵の奥深さが味わえる、まさに発酵体験!
「メニュー開発者、天才過ぎるのでは??」と発酵デパートメントスタッフ一同が驚いた、大発明メニューでなのでございます。
味わえる10種類の発酵食品たち
それでは、メニューで味わえる10種類の発酵食品をひとつずつご紹介していきましょう。
<3種類の醤油>
1.底引きたまり
小麦を一切使わない、大豆の旨みがギュッと凝縮された醤油。圧搾や加熱をせず、木桶で作る希少な製法で作られている。かぐわしい香りにも注目!
2.鶴醤
再仕込みという製法で作られた、まろやかでコク深〜い醤油。通常の醤油は小麦と大豆に塩水を加えて作るところ、再仕込みは小麦と大豆に生醤油が加えられ、原料も手間も2倍以上かかる。
3.いしる
イワシの塩漬けを発酵させて作る、ローカルな魚醤。魚介特有の香りと旨みが他の醤油とは一味違うアクセントに。
<5種類の発酵ブツ>
4.金山寺味噌
大豆、米、麦、野菜まで入った全部のせな味噌。甘じょっぱくて、食感も味わいもフレッシュ。味噌界のアイドル的存在。
5.麦味噌
実は味噌じゃない味噌!「大豆と麹を使った固形発酵調味料」という味噌の概念を撃ち壊す、大豆を使わない麦だけを使った麦味噌。甘みと酸味のバランスがほどよい、やさしい味。
6.木曽のこうじ味噌
長野県木曽の気候が生んだ個性派。チーズのような香りとコクをもち、ワインやオリーブオイルともマッチする国籍不明の味わい。
7.八丁味噌
東海地方で愛し愛される味噌。2年以上熟成させるため色が濃く、味も濃厚で存在感も抜群。
8.ごど
納豆に麹を混ぜて乳酸発酵させた、謎の発酵食品。酸味と納豆ぽさの残る食感が、なんともクセになる。
<最大の刺客、こんかとすんき>
9.鯖のこんか
福井で「へしこ漬け」、金沢では「こんか漬け」と呼ばれる発酵食。マイルドな糠の香りとしょっぱ甘さがハマると抜け出せない。
10.すんき
カブの葉を塩を使わずに乳酸菌発酵させた漬物。よき箸休めでもあり、思い切ってどんぶりへ投入すれば、独特の酸味が調味のアクセントにもなる。
どうですか?発酵クラスタもクラクラするほど、情報過多☆
でも大丈夫。初級編の食べ方を参考にすれば、きっと楽しく食べられますよ。
米麺の食べ方初級編!
〜それぞれの調味料の味を知る〜
食べ方は大きく分けて2ステップのみ。
①オイルの入った蕎麦猪口に好きな調味料を入れて食べる。
②お湯の入ったどんぶりに好きな調味料を入れて食べる。
もっと細かく分けると10ステップ。
食材の味をひとつずつ確かめながら、研究者気分でいただきましょう!
①麺を一本だけ食べてみよう
②とりあえず少し舐めてみる
③いしるを入れて食べてみよう
④底引きたまりを入れて食べてみよう
⑤金山寺味噌を入れて食べてみよう
⑥好きな調味料を重ねてみよう
⑦ちょっと休憩、野菜スティックに味噌をつけて食べる
⑧薬味やこんか、すんきを入れて味の変化を楽しもう
⑨お湯に味噌や醤油を加えて食べてみよう
米麺初心者は、いしる→底引きたまり→金山寺味噌の順番が、食べやすく、アレンジもしやすいのでおすすめです。お醤油は入れ過ぎると後戻りしにくいので、レンゲで調整しながら味付けしていきましょう。途中で振り返りながら、味噌や醤油を単体でなめてみるのも楽しいですよ。
▲食べるときには解説シートも参考にしてみてください
うっかり入れすぎちゃった!なんか好みの味にならない!というときは、スタッフにお声がけを。お湯を入れて薄めたり、加える調味料のアドバイスをしたり、あの手でこの手でサポート致します。
発酵体験米麺は…
真剣になればなるほど、底なしの発酵沼にハマっていく「発酵体験 米麺(ミーセン)」。気軽に発酵体験を楽しむ姿勢で、味の変化を楽しんでみてください。気に入った発酵食品や米麺では店頭でも購入可能!発酵沼への扉は、いつも全開です。