ポカポカ陽気でピクニック日和。そんな日にぴったりの新メニューが発酵デパートメントに登場しました。ソースたっぷり、ちょっぴりジャンクな味わいの「発酵ハムカツサンド」です。お店でささっと食べたいときに、テイクアウトしてピクニックに。ガブリと頬張れば、「発酵って美味しい」と脳が喜ぶ!実はこのメニュー、「発酵を難しく考えるすぎるな」というメッセージも込められています。Don’t think!feel….さて、どういうことなのか。オーナー・小倉ヒラクとレシピ開発を担当した井上豪希さんのトークをご覧あれ!
<お話を伺った方>
井上豪希 GOKI INOUE 食のクリエイティブディレクター
「わくわくドリブン」をモットーに、食分野の商品開発やブランディングを支援するブウランディングプロダクションTETOTETO Inc.の代表
小倉ヒラク 発酵デザイナー
下北沢『発酵デパートメント』オーナー。YBSラジオ『発酵兄妹のCOZY TALK』パーソナリティ。著書『手前みそのうた』(農山漁村文化協会、2014)、『発酵文化人類学』(角川文庫、2020)『日本発酵紀行』(D&DEPARTMENT PROJECT、2019)など。写真集に『発酵する日本』(Aoyama Book Cultivation、2020)。山梨県の山の中で日々菌を育てながら暮らしている。
ハムカツサンドって発酵食なの?
ー今回ハムカツサンドが新メニューになったきっかけを教えてください。なんとなく、発酵とは遠いイメージがありますが……。
ヒラク:僕が「ハムカツを作ろう!」と言いだしたんだよね。上野の立飲み居酒屋とかで出しているハムカツって、何も考えずに食べても美味しいでしょ。もちろん発酵体験米麺みたいに色々と考えながら、食の奥深さや発酵文化を味わうメニューも必要だけど、みんなで頬張って単純に「美味しい」って言いあえることも大事だなぁって。
豪希さん:ヒラクくんからは、テイクアウトや食べ歩きができるハンディなメニューを作りたいとも聞いていたので、「それなら、ハムカツサンドはどうですか?」って僕が提案したんだよね。絶対美味しいと思って試作してみたら、美味しかったんだな。これが。
ヒラク:料理って、食べた瞬間「ハッ」とさせられるアートっぽい料理と、気づいたら食べ終わってるデザインっぽい料理があるんだけど、今回は後者。すごく新しい何かではないけど、手に取りやすくて誰にでも理解できる味わいで、発酵デパートメント自体の裾野を広げるのにも、ぴったりな存在だなと思ったよ。
発酵からは少し遠ざかるけど、ハムカツなら大衆的で発酵食を食べてみようじゃなくて、小腹が空いたから食べようっていう人も楽しんでもらえるし。
豪希さん:しかも、発酵ハヤシライスにのせたり、発酵体験米麺にのせても美味しい。他の料理のオプションにもできる優秀なメニューが誕生したというわけだね。
ジャンクで奥深いソースは巧妙なワナ
ーハムカツサンドは発酵の魅力に気づいていない人を沼に引き摺り込むためのワナってわけですね。どのあたりに発酵の要素があるのか教えていただけますか?
豪希さん:パンはルーブルの食パンを使っていて、キャロットラペにはワインビネガー(リンゴ酢の場合もあり)、中濃ソースとウスターソース、マスタードマヨにはみりんが入っているよ。
ヒラク:使っている調味料のほとんどはお店で売っているものなので、だいたい店頭で!買えます!いや〜、キャロットラペとマスタードマヨとソースがうまいんだな〜。それぞれのパーツが重なって、酸味と甘味とうま味が三位一体!ジャンクっぽさもありながら、奥深い味わい。
豪希さん:きちんと発酵デパートメントらしさは保っているよね。それぞれのパーツに発酵食の魅力が見え隠れしている。
ヒラク:そうそう。発酵調味料の魅力が存分に活きているからね。
豪希さん:しっかりメインを張りつつ、ソースの味わいを引き立てているのが、ハムカツ。厚切りのハムにザクザクした食感。衣には米粉フレークを使っていて、グルテンフリーになるように作っている。単品でも楽しんでもらえるようにしたんだよね。
ヒラク:ソースが染みたザクザクのハムカツの美味しさは、脳に訴えかける感じだね。「うまい!うまいぞ!」って言ってるうちに食べ終わる感じ。
発酵沼の仙人クラスもきっとクセになる
ーこの味わい、みなさんにどんな風に楽しんでほしいですか?
ヒラク:落ち着いたら、ビールを合わせてほしい!
豪希さん:テイクアウトしてベンチで楽しむのもいいよね。
ヒラク:あとね。豪希くんと発酵デパートメントは、発酵のサービスエリアみたいになったらいいなと話していたんだよね。ふらっと立ち寄ってハムカツサンド片手にしたら、あら不思議。発酵沼に立っているという。
>>発酵のサービスエリアの話は、今後登場する新商品の記事で詳しく…。乞うご期待!!
豪希さん:色んな人に発酵を愛してもらうには、まず食べてもらうのが1番だからね。
ヒラク:今、テイクアウトで買っていくお客さんも多くて、大人気でさ。嬉しい限りです!
ー今後、ハムカツサンドは定番になりそうですね。
豪希さん:定番人気になるといいですね。前回の発酵体験米麺と同じく余白がある料理なので、キャロットラペをザワークラウトに変えたり、ソースに「いしる」を入れたりするアレンジを加えればまた違ったバージョンも作れるし、発酵レベルの高いアレンジも見てみたいよね。
ヒラク:今後も楽しみだね。発酵に興味がない人も、発酵沼の仙人クラスの人もみんなあっという間にペロリと食べて、また食べに来てくれると嬉しいな。
ー手軽にあの味が食べれるっていいですよね。
発酵米麺の対極のような発酵ハムカツサンド。発酵デパートメントの定番と言われるようになるのでしょうか。土曜日の昼下がりにテイクアウトカウンターが賑わっている様子を見て、嬉しい予感がしてきました。
今後は夏に欠かせないひんやり甘〜いアレの発売が控えているとか。お楽しみに。